バイシャ拍手お礼小話
               「春夏秋冬・トキヤとカクウ編」



 <春>

トキヤ「このたびは<ねじれのイチ>に拍手をいただき誠にありがとうございます」


カクウ「すっかり春です。春といえば綺麗な花咲く柔らかい時。季節の節目に部屋へ1輪でもあれば素敵ですね」


トキヤ「春か・・・。春といえば俺はゴミの山だな」


カクウ「何を言い出すのかと思えば、ゴミが出るほど物持ってないじゃない、貧乏人」


トキヤ「な、何をぅ。ゴミぐらい出るぜ、生活ゴミとか」


カクウ「ジャガイモの皮すら節約してるのに、生活ゴミ出るの?」


トキヤ「それはさておき、春のゴミと言えば新しい環境に移る時にいらなくなる物の話だ」


カクウ「ああ、お下がりの話か・・・・。こら、人にあげたりするくせにゴミって呼ぶな!!」


トキヤ「教科書や筆記用具は長屋じゃ大事に使い回されているんだ。んで、新しく別の教科書を貰うと」


カクウ「でも、トキヤは騎士団なんだから教科書なんて上げたり貰ったりしないでしょ?あたしがお下がりにあげた教科書だってとっくに回してたし、なのにいまだに春のイメージはお下がりなの?」


トキヤ「貰えなくなった。貰えなくはなったが、物は取られたんだ。実家に置いてた私物全部」


カクウ「・・・・・」


トキヤ「父ちゃんが、高給取りなんだからけちくさいことを言うなって・・・」


カクウ「・・・おじ様!」









 <夏>

トキヤ「このたびは<ねじれのイチ>に拍手をいただき誠にありがとうございます」


カクウ「すっかり夏です。あたしの夏は姫様と避暑地か、トキヤと休日大工という過ごし方ですね」


トキヤ「夏か・・・。夏といえば俺はゴミの山だな」


カクウ「あんた春にも同じこと言ってたわ。そもそも爽やかじゃない響きで嫌すぎる」


トキヤ「兵舎の裏に小さい畑作ってみたんだ」


カクウ「城の中で何やってんの!?」


トキヤ「焼きゴミが一番肥料にいいけど城内で煙が見つかったらヤバイし、そのまま肥やしに置いてみたんだけどな」


カクウ「だから何やってんの!?見つからなきゃいいってもんじゃないっていうか、何やってんの!?」


トキヤ「芽が出てきたなと思う間もなく、段々ゴミが増えてきてる気がしてたんだ。おかしいなと」


カクウ「いやああ!!ちょっと、あのゴミの山はなんなの!?城内の綺麗な庭になんでゴミの山が出現しちゃってるの!?夏の暑さのせいで心なしか臭いが漂ってきちゃってるってば!!」


トキヤ「俺が置いといた肥料の生ゴミの上に、別の連中が便乗してゴミを捨てに来てたんだよ。まいったね」


カクウ「・・・・・」


トキヤ「なあ、カクウ。明日は俺仕事休みだからちょっと」


カクウ「ごめん。あたし姫様とバカンスに行く約束があるんだった。助けてミア様」








 <秋>

トキヤ「幻の秋バージョンでこんにちは。秋は忙しくてお礼画面が更新されませんでした」


カクウ「秋は色々あるのに勿体なかったわ。食欲、運動、ハロウィンに紅葉、芸術っていう風に秋と言えばってネタには困らないもの」


トキヤ「秋か・・・。秋といえば俺はゴミの山だな」


カクウ「もっと別の何かがあるでしょーーーーー!!ねえ、春も夏も秋も同じ事を言ってるよ?ゴミから離れようよ。まさか春にゴミが出るほど物持ってないって言ったの根に持ってるんじゃないわよね!?」


トキヤ「ハハハハハ、ここの色町じゃ毎年チビ共が一斉に地面に散ってる落ち葉を取り合って集めてんだろ。落ち葉じゃなくても、それこそ外に洗濯物干したら悪ガキが取ってくぐらい塵も残らず」


カクウ「そういえば、なぜか毎年やけに町が綺麗になっている時期があるような・・・。今現在そんな感じ。トキヤの実家も心なしか綺麗かも?」


トキヤ「山に野生の芋が大量発生する季節は、薪が不足するし冬に備えて食料を貯蓄しなきゃならんからな。んでもって燃えかすは肥料として山にリリースという無駄の無い活用っぷり。だからこうして芋という実家の味を堪能しに帰省を」


カクウ「あ、そういえば、あんたの洗濯物ここで洗って干しといたんだけど竿から無くなってる」








 <冬>

トキヤ「お、拍手くれたのか。ありがとな!」


カクウ「こんにちは今年も寒い冬の季節がやってきました。冬といえば・・・ゴミはもういいわよ、トキヤ」


トキヤ「・・・大掃除」


カクウ「あんた1年中ゴミの季節にするつもり?そのネタ引きずんないでくんない?」


トキヤ「新年を迎えるためにはやはり必須行事になってくるわけだが、日頃掃除なんざしねえもんだから棚の後ろに虫が巣くって」


カクウ「いやああ!いやあああああ!!」


トキヤ「懐かしかったな。そういやガキの頃はひもじい時にみんなでアレを」


カクウ「それ以上続ける気なら窓かち割るわよ」


トキヤ「暖房器具のない可哀想な部屋でなんて非道なこと言うんだよ」


カクウ「あたしの冬は姫様の来てる新年パーティと、家の行事と下町の年越し祭り。他にも行事がたくさんあって楽しみね。厳しい季節だからこそ冬はイベントに満ちあふれてるもの」


トキヤ「貧乏暇無し。休日返上で職場年越しなんだけど、俺」


カクウ「これで恋人がいたらなあ、もっと盛り上がるんだけどなあ。結局今年も独り身だったなあ・・・」


トキヤ「焚き火に酒があれば年越しは盛り上がってんじゃんか。これ以上何の盛り上がりが欲しいってんだよ」


カクウ「色気も何もあったもんじゃないわね、あんただけは」





 〜珍しくあとがき〜

 よく漫画から飛び出たような奴、と言われる私ですが具体的に誰かというと『ハレのちグウ』のグウの方と妹に言われます、ノクシャスです。
 家の3部屋ぐらいがゴミと荷物で埋め尽くされています、天井高く。漫画みたいっていうか、昨今ニュースに出るゴミ屋敷が室内でのみ発生している感じです。私は1年かけて1部屋を3分の2ぐらい片付けたんですが、母親が後は引き受けるから触るなというので放置1か月。元通の足場が無い部屋に戻っていました。
 漫画みたいなオチ・・・とか、洒落になってねえから。

 物は大事に。でも不要なものはきちんと処分を大切に・・・。